本は人を旅へと誘う。旅は人を本へと向かわせる。人は本を読んで空間を旅し、時間を旅する――。旅をテーマとした読書会がスタートします。本を導き手に2年をかけて世界各所を旅します。
第1回は「アメリカ」。現代アメリカ文学の翻訳家として活躍される柴田元幸さんをゲストにお迎えします。
ヨーロッパから移動してきた人々がつくった国・アメリカ。その歴史が、フロンティアを求め東から西へ、果ては月や宇宙にまで至る「移動」を原動力としてつくられてきたように、アメリカ文学は本質的に「移動」のモチーフに貫かれた「旅の文学」ということができるでしょう。『白鯨』『ハックルベリー・フィン』といった“古典”から『グレート・ギャッツビー』『オン・ザ・ロード』、そしてポール・オースター等の現代作家まで――さまざまな作品を紹介していただきながら、柴田さんにアメリカ文学における移動＝旅の魅力を繙いていただきます。そして後半は、この読書会のために柴田さんが訳しおろしてくださる未訳のものも含む現代短篇小説を参加者と共に読んでいきます。なんとも贅沢な特別な一夜。ぜひご期待ください。