陶芸家 大谷哲也展「しろいもの」
- EXHIBITION
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東京代官山のgallery ON THE HILLでは、滋賀県信楽町を拠点に活動する陶芸家 大谷哲也による個展「しろいもの」を開催します。本展では、タイトルを「しろいもの」と題し、大谷作品が放つ白の世界観をご紹介します。優しさ、厳しさ、温かさなど、深い白の中に隠れている何かを感じてください。
会場 | gallery ON THE HILL 〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟 |
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日時 | 2024年12月17日(火)~12月26日(木)12:00~19:00 ※最終日は11:00~17:00 |
入場料 | 無料 |
共催 | 一般社団法人オンザヒル |
お問合せ | E-mail:info@galleryonthehill.com |
HP | https://www.galleryonthehill.com/ |
大谷哲也 |陶芸家
1971 神戸市生まれ
1995 京都工芸繊維大学 造形工学科卒業
1996 信楽窯業試験場勤務
2008 信楽町にて大谷製陶所開窯
https://www.ootanis.com/
https://www.instagram.com/otntty/
イベント概要
陶芸家 大谷哲也の感性が作る深い白の世界「しろいもの」
東京代官山のgallery ON THE HILL(代官山ヒルサイドテラス内)は、2024年12月17日(火)から12月26日(木)まで、 滋賀県信楽町を拠点に活動する陶芸家 大谷哲也による個展「しろいもの」を開催します。
大谷は兵庫県神戸市で生まれ、学生時代は京都工芸繊維大学でデザインを学びました。大学卒業後に信楽窯業試験場の職員として12年間勤務し、信楽焼業界へ向けて新素材や製品の研究開発、後継者育成事業に従事。この時期に、大谷の基盤となる陶磁器の知識を身につけます。また、職員として働く中で研究生から刺激を受け、陶芸を通して将来の夢を描くことや、生活と仕事が一体化したものを作る暮らしに憧れを抱くようになりました。2008年に信楽町田代に陶芸家の大谷桃子氏と共に大谷製陶所を開窯。独立後は、国内外のギャラリーで精力的に個展を開催しています。
大谷が手掛けるうつわの特徴は、自らの手でひとつひとつ緻密に轆轤で成形するミニマルな白磁。天草陶石の坏土で作られた真っ白な素地にマット釉が施されています。また、ペタライト製の白い土鍋も手がけており、精巧な美しさと実用性を兼ね備えたうつわを制作しています。
大谷独特のシンプルな色やかたちは、食器や花入などが持つ土着的・文化的な属性を排除することでうつわの普遍的な部分をむき出しにし、それを大谷の感性で再構築させたものです。そのモダンな姿形は、多様な食文化や様式を受け入れるうつわであり、また、毎日の生活空間で活かされるうつわでもあります。
本展では、タイトルを「しろいもの」と題し、大谷作品が放つ白の世界観をご紹介します。優しさ、厳しさ、温かさなど、深い白の中に隠れている何かを感じてください。
―――――
僕は物の持つ土着性みたいなものに関心があります。作ることに関していうと、それを消していくことに。
良いとか悪いとかじゃなくて、そのような属性がないものに興味があるのです。
僕が白いうつわを作ることにしたのは、模様も色も、何かを象徴するような特徴的な形状も、器物から一旦引き算して、うつわの普遍的な部分をむき出しにし、そこにもう一度要素を足し直す。そうすることでようやく現代の無国籍化した食卓にあったうつわができるのではないかと考えたからです。
うつわから要素を引き算をする際に、轆轤目や歪みのような意図的に付けられた痕跡も残さないようにしています。でもどんなに手跡を消しても、手で作ったぬくもりは残るし、ワビやサビを抜いても、海外で展覧会をしたら「日本ぽいね」といわれます。どうやってもそういうものは消せないようです。
その消せないものの音量をできるだけ下げ、ほんの少しだけ、聞こえる人にだけ響くボリュームで音を鳴らす。そこまで削り落とした先に残ったものが、僕の中心にあるとてもピュアな何かなんだと思います。
大谷哲也
東京代官山のgallery ON THE HILL(代官山ヒルサイドテラス内)は、2024年12月17日(火)から12月26日(木)まで、 滋賀県信楽町を拠点に活動する陶芸家 大谷哲也による個展「しろいもの」を開催します。
大谷は兵庫県神戸市で生まれ、学生時代は京都工芸繊維大学でデザインを学びました。大学卒業後に信楽窯業試験場の職員として12年間勤務し、信楽焼業界へ向けて新素材や製品の研究開発、後継者育成事業に従事。この時期に、大谷の基盤となる陶磁器の知識を身につけます。また、職員として働く中で研究生から刺激を受け、陶芸を通して将来の夢を描くことや、生活と仕事が一体化したものを作る暮らしに憧れを抱くようになりました。2008年に信楽町田代に陶芸家の大谷桃子氏と共に大谷製陶所を開窯。独立後は、国内外のギャラリーで精力的に個展を開催しています。
大谷が手掛けるうつわの特徴は、自らの手でひとつひとつ緻密に轆轤で成形するミニマルな白磁。天草陶石の坏土で作られた真っ白な素地にマット釉が施されています。また、ペタライト製の白い土鍋も手がけており、精巧な美しさと実用性を兼ね備えたうつわを制作しています。
大谷独特のシンプルな色やかたちは、食器や花入などが持つ土着的・文化的な属性を排除することでうつわの普遍的な部分をむき出しにし、それを大谷の感性で再構築させたものです。そのモダンな姿形は、多様な食文化や様式を受け入れるうつわであり、また、毎日の生活空間で活かされるうつわでもあります。
本展では、タイトルを「しろいもの」と題し、大谷作品が放つ白の世界観をご紹介します。優しさ、厳しさ、温かさなど、深い白の中に隠れている何かを感じてください。
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僕は物の持つ土着性みたいなものに関心があります。作ることに関していうと、それを消していくことに。
良いとか悪いとかじゃなくて、そのような属性がないものに興味があるのです。
僕が白いうつわを作ることにしたのは、模様も色も、何かを象徴するような特徴的な形状も、器物から一旦引き算して、うつわの普遍的な部分をむき出しにし、そこにもう一度要素を足し直す。そうすることでようやく現代の無国籍化した食卓にあったうつわができるのではないかと考えたからです。
うつわから要素を引き算をする際に、轆轤目や歪みのような意図的に付けられた痕跡も残さないようにしています。でもどんなに手跡を消しても、手で作ったぬくもりは残るし、ワビやサビを抜いても、海外で展覧会をしたら「日本ぽいね」といわれます。どうやってもそういうものは消せないようです。
その消せないものの音量をできるだけ下げ、ほんの少しだけ、聞こえる人にだけ響くボリュームで音を鳴らす。そこまで削り落とした先に残ったものが、僕の中心にあるとてもピュアな何かなんだと思います。
大谷哲也