目利きが語る“私の10冊”
第24回朝吹真理子(作家)
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出演 | 朝吹真理子(作家) |
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会場 | ヒルサイドライブラリー(ヒルサイドテラスアネックスB棟3F) |
日時 | 2013年5月21日(19:00-20:30) |
定員 | 50名(要予約) |
会費 | 一般2,000円 クラブヒルサイド会員/学生1,000円 |
主催・問合せ | クラブヒルサイド事務局 TEL: 03-5489-1267 (11:00-21:00 月曜休) FAX: 03-5489-1269 E-MAIL : info@clubhillside.jp |
出演
朝吹真理子(あさぶき・まりこ)
1984年、東京生まれ。慶應義塾大学前期博士課程在籍(近世歌舞伎)。2009年、「流跡」でデビュー。2010年、同作で堀江敏幸氏選考によるドゥマゴ文学賞を最年少受賞。2011年「きことわ」で第144回芥川賞受賞。
イベントレポート
「本がとても好き。読むことと、書くことは等価なことだと思っている」という小説家の朝吹真理子さん。“読むことが、同時に創作について考えることとなる本”を10冊選んでいただきました。
選びたい本がたくさんあり取捨していく中、全ての日本の言葉に対して、ここに思いを寄せるしかないと思い選んだのは『岩波 古語辞典』。非常にハンディな形で絶滅した言葉に触れることができるという古語辞典。かつて言葉を使っていた人たちの声がこだましていると感じるそうです。
物語が言葉に奉仕するために存在しているようだという金井美恵子の『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』。朝吹さんの一言一言から、深い“ことば”への思いを感じました。
絶望の中にある細い光の筋について書いているという大江健三郎の『新しいひと目覚めよ』は、震災以降に何度も読み返している作品だそうです。
また小説だけではなく、言葉の運動が流れていくようだという作曲家 武満徹の最後のテクスト『時間の園丁』や、身体に突き刺さってくるような言葉だと感じる写真家 志賀理絵子の『螺旋海岸』、作曲家・ピアニスト 高橋悠治の翻訳が素晴らしいというクセナキスの『音楽と建築』など、独特な言葉をもつアーティストの本を紹介していただきました。その他にも現代美術や、南米文学、大好きだという将棋の本など朝吹さんの幅広い興味を垣間見ることができる10冊が揃いました。
また、後半の質疑応答は「相手がいて相手から返ってくる対話形式が、最も活発になる」という朝吹さんの言葉どおり、とても活気を帯びたものとなりました。
「何度も読んでる本」「ずっと抱えていきたい一行」「常に隣にいて導いてくれる一冊」など、朝吹さんの本に対する気持ちの大きさや大切さを感じることができるセミナーでした。