人生に大切なことはすべて絵本から教わった2011-2012
第4回 大編集者マーガレット・マッケルダリー
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出演 | 末盛 千枝子(編集者) |
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日時 | 2011年11月26日(土) 14:00-15:30 |
会場 | ヒルサイドバンケット |
定員 | 70名 |
会費 | 一般2,500円 クラブヒルサイド会員1,500円 (ドリンク&プチタルト付) |
予約・問合せ | ヒルサイドインフォメーション TEL: 03-5489-3705 FAX: 03-5489-1269 E-MAIL :info@hillsideterrace.com |
出演者
末盛千枝子
1941年、彫刻家・舟越保武の長女として東京に生まれる。絵本の編集者を経て、88年すえもりブックスを設立。以後、タシャ・チューダー、ゴフスタインの絵本、皇后美智子さまの講演録など、独自の価値観による出版を続けている。2010年4月に『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』(現代企画室刊)を出版。同年5月に岩手県八幡平市に移住。2011年3月「3.11絵本プロジェクトいわて」を立ち上げる。
イベント概要
1912年、アメリカ、ピッツバーグ生まれ。図書館司書として仕事をしながら編集者として数々の絵本や児童書を紹介した。「Margaret K. McElderry Books」は 編集者名を冠した児童書インプリントの先駆となった。絵本の分野では、ハンス・フィッシャーの『こねこのぴっち』やアイリーン・ハースの『カーリーおばさんのふしぎなにわ』などを編集。『床下の小人たち』などの『小人の冒険』シリーズで知られるメアリー・ノートン、『グリーン・ノウ』シリーズのルーシー・ボストンなど海外児童文学の紹介にも努めた。アメリカで最も権威のある児童書の賞、コールデコット賞やニューベリー賞はじめ受賞多数。2011年逝去。
関連シリーズ
人生に大切なことはすべて絵本から教わった
2011-2012
編集者として45年にわたり美しい絵本と関わってこられた末盛千枝子さん。2008年度ヒルサイドテラスで大好評を博し、同名の書籍も生み出したセミナーシリーズが、多くのご要望を受けて再開されます。多彩なゲストもお迎えしながら開催します。人間の生き方のなかに本当の美しさを見据え、それを出版を通して人々に伝えてこられた末盛さんの滋味豊かな言葉に触れてください。
- 第1回 良寛とフランチェスコ ― 大正デモクラシーがもたらしたもの 末盛千枝子、 北川フラム2011年6月11日(土)終了しました
- 第2回 「いのち」をめぐって - 宮沢賢治を手がかりに 末盛千枝子、 中村桂子2011年7月30日(土) 14:00-15:30終了しました
- 第3回 いま、読みたい絵本2011年10月22日(土)終了しました
- 第4回 大編集者マーガレット・マッケルダリー2011年11月26日(土)終了しました
- 第5回 M.B.ゴフスタイン「あなたのひとり旅」―出版をめぐって 末盛千枝子、谷川俊太郎2012年2月4日(土)終了しました
- 1冊の絵本をあなたに―「3.11 絵本プロジェクトいわて」から3月24日を予定しておりましたが、諸事情により延期いたします。 日程が決まり次第お知らせいたします。終了しました
- 第6回 母を語る2012年4月14日(土)終了しました
- 第7回 子どもという不思議 (最終回)2012年6月9日(土)終了しました
人生に大切なことはすべて絵本から教わった レポート 第4回「大編集者マーガレット・マッケルダリー」
2011年11月26日(土) ヒルサイドバンケット
「調べれば調べるほどに、私がこういう人と付き合ったということが、それこそ“想定外”のように幸せなことだと思っています。」という末盛さんの一声から、今回のセミナーは始まりました。
「次回は、ぜひ大編集者マーガレット・マッケルダリーのお話を」と、企画が決まったその直後、突然の訃報。ニューヨークタイムズをはじめとするアメリカのメディアが、「児童文学における一時代の終わり」と彼女の死を報じたその日から9ヶ月以上が経った今、絵本を通して彼女と出会い、一緒に仕事をした末盛さんだからこそ語ることのできるマーガレット・マッケルダリーの姿がそこにありました。
大学卒業後、図書館司書となり、そこで得た知識と縁をもとに、児童図書編集者の職を得、数多くの名著を世に送り出していったマッケルダリー。その生涯を通して、第二次世界大戦後に活気を見せたアメリカの児童書出版の歴史や、さらには、当時、児童書の出版事業が世界的な拡がりをもっていたことが見えてきます。
「子どもの本の仕事は、将来の大人、将来の世界を育てる仕事なのだから、絶対に手抜きはできない」と常々口にしていたというマッケルダリー。
「“子どもの本とはどういうものであるべきか。子どもにとって、本とはどのようなものであるべきか。”ということについて、頑固といえるまでに考え続けた人」であり、それと同時に、「“児童書の出版は、慈善事業ではない”という認識の上で、出版活動を実践し続けた人」であったと末盛さんは言います。
そして、末盛さんと共同出版を手がけた『どうぶつたち』(まどみちお詩 / 皇后美智子さま選・訳 / 安野光雅絵)の制作秘話。この本の出版によって、まどみちおさんがアンデルセン賞を受賞し、さらには、IBBYのインド・ニューデリー大会において、皇后美智子さまのご講演が実現したという、出来事の連鎖と、運命の不思議が語られました。
数々のエピソードからは、彼女の飾らない魅力的な素顔がのぞきます。「おしゃれで、茶目っ気がある存在の美しいひと」――末盛さんの語るマッケルダリーが、末盛さんの姿に重なる、そんなひとときでもありました。