新津保建秀写真スクール「見えないものを撮る」 第2回〈「気配」を撮る〉 ゲスト:永井一史
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毎回、異なるテーマのもとに受講者が撮ってきた写真をめぐり、多様な分野の第一人者をゲストに迎え、 ディスカッション形式で講座を展開します。夏には「大地の芸術祭」の里、越後妻有で合宿形式のワークショップも行い、 講座終了時には、全講座の成果を発表する展覧会を代官山のヒルサイドテラス内、ヒルサイドフォーラムにおいて開催します。
展覧会では、写真・美術・カルチャー・広告等の雑誌編集長によるレビューを実施し、年齢を問わない、新しい才能の発掘の場となることを目指します。
6月18日は、ゲストにアートディレクター、HAKUHODO DESIGNの永井一史さんをお迎えし、ディスカッション形式で写真講座を展開します。
日時 | 2011年6月18日(土) 14:00-17:00 |
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会場 | ヒルサイドテラス アネックスB棟(東京都渋谷区猿楽町30-2) |
定員 | 25名 |
受講料 | 一般6万円 クラブヒルサイド会員5万円 学生5万円 ※第4回 1泊2日の宿泊費【朝夕食付】 終了レビュー参加費含む |
主催 | クラブヒルサイド |
協力 | 代官山スタジオ |
登壇者・講演者
新津保建秀
1968年生まれ。写真と映像による作品制作を行う。数多くの企業広告、音楽、映画、文藝、ファッション、建築の写真を手がけ、 異分野のクリエーターとの共同作業も多い。昨年手がけたものとして、日本郵便年賀状キャンペーンポスター、 「きこえる?School & Music」(文藝春秋/東京大学知の構造化センター pingpong project)など。 写真集に『記憶』(FOIL)、『夏*』(マドラ出版)、『Rugged TimeScape』(FOIL)。関連書籍に『建築と写真の現在』(TNプローブ)がある。
永井一史
1968年生まれ。多摩美術大学卒業。博報堂入社後、2003年ブランディングを中心としたHAKUHODO DESIGNを設立。2007年デザインを通じてソーシャルな課題解決に取り組む、+designプロジェクトを立ち上げる。2008年11月、雑誌「広告」編集長に就任。
関連シリーズ
新津保建秀写真スクール「見えないものを撮る」
ケハイ、音、時間、匂い、言葉…。視覚のメディアである写真は「目に見えないもの」をいかに写し撮ることができるのでしょうか。 異分野のクリエーターとのコラボレーションを始め、今もっともその活動が注目される写真家のひとり、新津保建秀が初めて取り組む写真講座シリーズが2011年5月スタートします。
毎回、異なるテーマのもとに受講者が撮ってきた写真をめぐり、多様な分野の第一人者をゲストに迎え、 ディスカッション形式で講座を展開します。夏には「大地の芸術祭」の里、越後妻有で合宿形式のワークショップも行い、 講座終了時には、全講座の成果を発表する展覧会を代官山のヒルサイドテラス内、ヒルサイドフォーラムにおいて開催します。
展覧会では、写真・美術・カルチャー・広告等の雑誌編集長によるレビューを実施し、年齢を問わない、新しい才能の発掘の場となることを目指します。
新津保建秀写真スクール「見えないものを撮る」 第2回 レポート
2011年6月18日(土) アネックスB棟
最初のゲストに永井一史さんをお迎えし、いよいよ課題をめぐる授業がスタートしました。永井さんからの課題は、〈After 311の「気配」を撮る〉。企業と社会の橋渡しともいえる「広告」。その最前線で活躍する永井さんにとって、「広告」をつくるプロセスは、常に言葉によって掘り起こす作業と一体だと言います。今回の課題では、写真と同時に背後にある考え方も提示することが求められました。
自分は震災で“何を感じ”“何を考えた”のか。“これから変わっていくものは何か”―。
バックグラウンド、世代も異なる26人の生徒による作品は、実に多種多様でした。最小のコミュニティである家族の重層化された肖像、変わらない日常に浮かび上がる死の予感、農家で自ら収穫した被曝した野菜を使ったおいしそうな料理、3.11後の膨大な数の報道写真、夜の散歩で発見した木々の緑の生命力―。
震災を自らに問いかけるひとりひとりのプレゼンテーションに、永井さんと新津保さんは実に丁寧にコメントしてくださいました。全体の講評で永井さんが指摘されたのは、コンセプトや感覚が、「表現」のレベルにまで到達しきれていない、ということ。震災に対する批評や実感を、抽象化する作業の必要性でした。一方、新津保さんが強調されたのは、量が質に転化するといること。制作は、実作業と検証が両輪の輪であり、それらを圧倒的な作業量の中で身体化していくことの重用性でした。
予定の3時間を1時間近くオーバーしてのお二人の真摯な講評に、生徒の皆さんも感激していた様子。
次回は、音楽家・渋谷慶一郎さんをゲストに迎えての〈「音」を撮る〉です。