北川フラムの対話シリーズ
知をひらく人たち
- SERIES
戦後70年を経て、大きな転換点にある現在。
普遍性・多様性へと向かおうとしてきた意志が阻まれ、強烈な排他性が地球全体を覆おうとしている時代にあって、私たちはいかに他者とつながり、世界に向ってひらかれうるのか。
会期 | 2017年5月16日~2018年5月18日 |
---|---|
日時 | 19:00-20:30 |
定員 | 50名(要予約) |
参加費 | 一般 2,000円 クラブヒルサイド会員 1,000円 |
主催 | クラブヒルサイド |
共催 | 現代企画室 |
協力 | 代官山 蔦屋書店 |
スケジュール
講師プロフィール
北川フラム(きたがわ・ふらむ)
1946年新潟県高田市(現・上越市)生まれ。東京芸術大学卒業。アートアートフロントギャラリー主宰。主なプロデュースとして「アントニオ・ガウディ展」、「子どものための版画展」、「アパルトヘイト否(ノン)!国際美術展」など。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭」「北アルプス国際芸術祭」「奥能登国際芸術祭」の総合ディレクターを務める。
槇文彦(まき・ふみひこ)
1928年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、アメリカのクランブルック美術学院及びハーバード大学大学院の修士課程修了。
ワシントン大学とハーバード大学で都市デザインの準教授を務め、1965年帰国、株式会社槇総合計画事務所を設立。1979-1989年東京大学教授。主な作品にヒルサイドテラス、幕張メッセ、京都国立近代美術館、東京体育館、MITメディアラボ、WTC Tower 4など。主な受賞に日本建築学会賞、朝日賞、プリツカー賞、AIAアメリカ建築家協会ゴールドメダル等。
池澤夏樹(いけざわ・なつき)
作家、詩人。1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。
以後、多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。
1987年に『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』、『花を運ぶ妹』、『静かな大地』、『キップをなくして』、『カデナ』、『アトミック・ボックス』など。東北大震災に関わる著作に長篇エッセー『春を恨んだりはしない』と小説『双頭の船』がある。
最新作は小説『キトラ・ボックス』。2011年に完結した『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』に続いて、2014年から『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』を刊行中。
高橋悠治(たかはし・ゆうじ)
1938年東京都生まれ。柴田南雄、小倉朗、ヤニス・クセナキス等に師事。桐朋学園短期大学作曲科を中退、1960年ピアニストとしてデビュー。62年よりベルリンに留学、欧米各地で演奏活動、アメリカでコンピューター音楽を研究する。
72年に帰国、74年、一柳慧、柴田南雄、武満徹らと「トランソニック」 を組織、季刊誌を編集(76年まで)。78年「水牛楽団」を結成(85年まで)。
現代音楽を中心に様々な分野で活躍。著書に『高橋悠治/コレクション1970年代』『音の静寂 静寂の音』『きっかけの音楽』『カフカノート』等。
加藤典洋(かとう・のりひろ)
1948年山形県生まれ。東京大学文学部フランス文学科を卒業。文芸評論家。
国立国会図書館員、明治学院大学国際学部教授を経て、現在、早稲田大学国際学術院教授。現代文学、思想史、政治、歴史認識と幅広く発言する。
『言語表現法講義』(岩波書店)で第10回新潮学芸賞、『敗戦後論』(講談社)で第9回伊藤整文学賞評論部門、『テクストから遠く離れて』(講談社)と『小説の未来』(朝日新聞社)で第7回桑原武夫学芸賞受賞。そのほかの著書に『アメリカの影』 (河出書房新社)、『日本風景論』(講談社)、『加藤典洋の発言』(全3巻、海鳥社)、『太宰と井伏―ふたつの戦後』(講談社)、『文学地図-大江と村上と二十年』(朝日選書)、『さようなら、ゴジラたち―戦後から遠く離れて』(岩波書店)などがある。小林秀雄賞、太宰治賞の選考委員。
池上高志(いけがみ・たかし)
1961年長野県生まれ。小中高と名古屋で過ごし、1984年東京大学理学部物理学科卒業。1989年同学大学院理学系研究科博士課程修了。現在は東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系教授として教鞭を執る傍ら、複雑系科学研究者として、アートとサイエンスの領域を繋ぐ活動も精力的に行う。音楽家、渋谷慶一郎とのプロジェクト「第三項音楽」や、写真家、新津保建秀とのプロジェクト「MTM」など、その活動は多岐にわたる。
著書:『生命のサンドウィッチ理論』(講談社、2012)、『動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ』(青土社2007)、共著:『複雑系の進化的シナリオ』(朝倉書店、1998)『ゲーム―駆け引きの世界 (東京大学公開講座)』(東京大学出版会、1999)、共訳書:Andy Clark著『現れる存在』(NTT出版、2012)など。
椹木野衣(美術評論家)
1962年埼玉県秩父市生まれ。美術批評家。主な著作に『増補シミュレーショニズム』(ちくま学芸文庫)、『日本・現代・美術』(新潮社)、『反アート入門』(幻冬舎)、『後美術論』(美術出版社、第25回吉田秀和賞)ほか。岡本太郎関連に単著『太郎と爆発』、作品集『爆発大全』(監修、いずれも河出書房新社)、著作集『岡本太郎の宇宙』(共編、全5巻+別巻、ちくま学芸文庫)がある。最新刊『震美術論』(美術出版社)。多摩美術大学教授。芸術人類学研究所所員。
柄谷行人(からたに・こうじん)
思想家。1941年生まれ。東京大学経済学部卒業。1969年より文芸批評家として活動。季刊誌『批評空間』を編集。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。著書は『日本近代文学の起源』、『トランスクリティーク、カントとマルクス』、『世界史の構造』、『哲学の起源』など、多数。主要著作は、英語、韓国語、中国語など諸言語に翻訳されている。
シリーズ概要
普遍性・多様性へと向かおうとしてきた意志が阻まれ、強烈な排他性が地球全体を覆おうとしている時代にあって、私たちはいかに他者とつながり、世界に向ってひらかれうるのか。
その方途を、先人たちの歩みを通して考えるセミナーシリーズが「知をひらく」です。
建築、美術、文学、思想、科学、音楽、ファッションなど、この国のさまざまな分野で独創的な業績を残した人たちは、あふれるような好奇心に導かれた該博な知と深い歴史意識を礎に、どのように時代をとらえ、自らの仕事を切り拓き、専門性を越えて他者にひらこうとしたのか――。
知の巨人たちの仕事、思想、生き方をめぐるゲストとの対話を通じて、クラブヒルサイド・ディレクターの北川フラムが未来への針路を探ります。