文明の踏み分け道で考える――北川フラムと“アート”を語る
第6回 「福島から考える―やがてミロとなる子どもたちへ」 ゲスト:尾田栄章(福島県広野町職員/元建設省河川局長)
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ゲスト | 尾田栄章(福島県広野町職員/元建設省河川局長) |
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日時 | 2014年9月24日(水) 19:00-20:30 |
会場 | クラブヒルサイドサロン(ヒルサイドテラスアネックスB棟2F/東急東横線代官山駅より徒歩3分) |
定員 | 50名(要予約) |
会費 | 一般2,000円 クラブヒルサイド会員/学生1,000円 |
主催・問合せ | クラブヒルサイド事務局 TEL: 03-5489-1267 (11:00-21:00 月曜休) FAX: 03-5489-1269 E-MAIL : info@clubhillside.jp |
共催 | 現代企画室 |
登壇者
尾田栄章(おだ・ひであき)プロフィール
1941年奈良県生まれ。建設省でおもに危機管理を担当。「環境」と「住民参加」を求める河川法改正を担当。退職後、第3回世界水フォーラム(2003:日本開催)の事務局長。国際的な水問題とともに「打ち水大作戦」や蓋をされた『春の小川(渋谷川)』の再生に取組む。現在、原発事故で被災の広野町で復興に向けて派遣職員として勤務。主な著書に『セーヌに浮かぶパリ』、『みちのくに徹する』。「記紀と続紀の時代を『水』で読み解く」を雑誌「河川」に連載中 。
北川フラム(きたがわ・ふらむ) プロフィール
1946年新潟県高田市(現・上越市)生まれ。東京芸術大学卒業。アートフロントギャラリー主宰。主なプロデュースとして「アントニオ・ガウディ展」、「子どものための版画展」、「アパルトヘイト否(ノン)!国際美術展」など。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」「瀬戸内国際芸術祭」、今年開催される「北アルプス国際芸術祭」「奥能登国際芸術祭」の総合ディレクターを務める。
イベント概要
関連シリーズ
文明の踏み分け道で考える――北川フラムと“アート”を語る
『美術は地域をひらく――大地の芸術祭10の思想』(現代企画室)発刊を記念して、クラブヒルサイド・ディレクターの北川フラムによるトークシリーズを開催します。グローバル化、効率化、スタンダード化する世界の流れにあって、アートの可能性はますます大きくなっています。本シリーズでは、様々な分野の第一線で格闘されているゲストと語り合うことを通して、文明の踏分道にある現在、共有の意味、共通の世界風景を探ります。
- 第1回 「北川フラムを批評/批判(クリティーク)する」 ゲスト:椹木野衣(美術評論家)終了しました
- 第2回 「思想は社会を動かせるか」ゲスト:東浩紀(思想家・作家)終了しました
- 第3回 「越境する表現者たち」ゲスト:都築響一(編集者、写真家)終了しました
- 第4回 「日本を離れてアートをやるということ」 ゲスト:川俣正(アーティスト)終了しました
- 第5回 <都市と地域の交換>はCSRとなりうるか ゲスト:高島宏平(オイシックス代表)終了しました
- 第6回 「福島から考える―やがてミロとなる子どもたちへ」ゲスト:尾田栄章(福島県広野町職員/元建設省河川局長)終了しました
- 第7回 「教育の視点から大地の芸術祭を考える」 ゲスト:柴田和豊(教育学者)終了しました
- 第8回 「動いていく地域と芸術」 ゲスト:苅部直(政治学者)終了しました
- 第9回 「大地の芸術祭はソーシャルビジネスか――バングラデシュ緑豆プロジェクトと響きあうもの」ゲスト:佐竹右行(グラミン・ユーグレナ CO-CEO)終了しました
- 特別編@市原湖畔美術館 「建築に何が可能か――場・移動・世界風景」ゲスト:原広司(建築家)終了しました
- 第10回 「越後妻有の基層文化を探る~日本海文化と東アジア島嶼文化をつなぐもの」ゲスト:森繁哉(舞踏家)終了しました
- 第11回 「パフォーマンスは大衆につながることができるのか」ゲスト:相馬千秋(舞台芸術プロデューサー)終了しました
- 北川フラムと“アート”を語る 第12回 「好奇心が世界をひらく―アートと科学の境界を超えて」ゲスト:池上高志(複雑系科学者)終了しました
- 第13回 「開発好明・再考―日本のアートの中心はどこか」ゲスト:開発好明(アーティスト)、池田修(BankART1929代表)、窪田研二(インディペンデント・キュレーター)終了しました
- 最終回 「世界の混沌の中で蔡國強はどう生きるか」ゲスト:蔡國強(アーティスト)終了しました
イベントレポート
「北川フラムと“アート”を語る」シリーズの第6回目は、国交省河川局長として長年にわたり「河川環境」の改善に尽力され、退職後は水関係のNPO団体、そして現在は福島県広野町の町役場の一職員として現場の復興事業に携わる尾田栄章さんをゲストに迎えての対談。
尾田さんはまず、現在関わられている広野町の紹介から始め、ほとんどメディアでは取り上げられることのない福島での復興作業現場の様子、3.11以降の避難先での人々の暮らしやその変化の問題点を含めて切々と詳細に語った。そして今後、避難されている方々の「幸福な帰還(ハッピーリターン)」があるとすれば、それはどのようなかたちで実現されるのか、そのことをめぐって対談は進行し、北川さんは大地の芸術祭、越後妻有での経験にひきつけて、結局は「幸せなコミュニティ」の気分をどうつくっていくのかということに帰結すると語る。
そこから尾田さんは地元が変わるためには自分たちの力だけではなく外部の力が必要で、外部の力があって初めて地元の人が変わりうるといい、そこに越後妻有の活動を重ね合わせた。さらにはアートでもなんでもいい、地元の人たちの間のネットワークをつくりだすこと、交流を生み出すことのきっかけが重要だとも。
尾田さんと北川さん、お二人のこれまでの蓄積を交えての対談は福島だけにかぎらず、日本の地域の現状と今後の展望を考える上でとても有意義なものとなった。