目利きが語る“私の10冊”
第15回池内了(宇宙物理学者)
- SEMINAR
- 募集終了
このイベントは終了しました
池内さんは、宇宙の進化を探究する一方、近年は、科学・技術・社会論に傾注され、文系と理系という分断を超える「新しい博物学」を提唱しておられます。
「等身大の科学」の必要を訴え、科学者の社会的責任を問うてこられた池内さんが、ヒルサイドライブラリーのために3年前、選ばれたのは、『銃・病原菌・鉄』『科学の終焉』『原子爆弾の誕生』など、 科学と文明のあり方そのものが大きく問われる今まさに読まれるべき10冊です。 科学技術によって自然を征服しようとしてきた私たちの文明とは何なのか、池内さんの選ばれた10冊を道しるべに考えたいと思います。
出演 | 池内了(宇宙物理学者) |
---|---|
会場 | ヒルサイドライブラリー(ヒルサイドテラスF棟) |
日時 | 2011年5月25日(水) 19:00-20:30 |
定員 | 50名(要予約) |
会費 | 一般2,000円 クラブヒルサイド会員/学生1,000円 |
主催・問合せ | クラブヒルサイド事務局 TEL: 03-5489-1267 (11:00-21:00 月曜休) FAX: 03-5489-1269 E-MAIL : info@clubhillside.jp |
出演
池内了(いけうち・さとる)
1944年兵庫県生まれ。宇宙物理学者。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。国立天文台、大阪大学理学部、名古屋大学大学院理学研究科教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て、総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授。著書に『科学者と戦争』(岩波新書)、『ねえ君不思議ではありませんか?』(而立書房)、『科学・技術と現代社会 上、下』(みすず書房)、『宇宙論と神』(集英社新書)、『科学は、どこまで進化しているか』(祥伝社新書)、『娘と話す 原発ってなに?』『娘と話す 宇宙ってなに?』(ともに現代企画室)ほか多数。1993年に『お父さんが話してくれた宇宙の歴史 全4冊』(岩波書店)で産経児童出版文化賞と日本科学読物賞、1997年『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書)で講談社科学出版賞、2008年にこれまでの著作に対してパピルス賞(関科学技術振興財団)受賞。
関連シリーズ
目利きが語る“私の10冊”
2008年4月にヒルサイドライブラリーが創設されて4度目の春。その最大の魅力は、各界の「目利き」100人にお選びいただいたヒルサイドライブラリー・コレクションです。 本セミナーでは、毎回「目利き」にご登場いただき、ご自身が選ばれた10冊について語っていただきます。 本は人を通して伝わり、本を介して新たな人と人との交流が生まれます。
※今後の開催予定は決定次第WEBにてお知らせいたします。
- 第1回 池内紀(ドイツ文学者/エッセイスト)終了しました
- 第2回 佐藤忠男(映画評論家)終了しました
- 第3回 青木保(文化人類学者/文化庁長官)終了しました
- 第4回 加藤典洋(文芸評論家)終了しました
- 第5回 中村桂子(生命誌研究者/JT生命誌研究館館長)終了しました
- 第6回 槇文彦(建築家)終了しました
- 第7回 加藤種男(アサヒビール芸術文化財団事務局長)終了しました
- 第8回 野田正彰(精神病理学者)終了しました
- 第9回 福原義春(資生堂名誉会長)終了しました
- 第10回 山本寛斎(デザイナー/プロデューサー)終了しました
- 第11回 菊地成孔(音楽家/文筆家/音楽講師)スペシャル「本と音楽」(1) 菊地成孔が語る「10の本と10の音楽」終了しました
- 第12回 山下洋輔(ジャズピアニスト/作曲家)スペシャル「本と音楽」(2) 山下洋輔が語り、奏でる「本と音楽」終了しました
- 第13回 竹下景子(女優)終了しました
- 第14回 日比野克彦(アーティスト)終了しました
- 第15回 池内了(宇宙物理学者)終了しました
- 第16回 伊東豊雄(建築家)終了しました
- 第17回 東浩紀(作家/批評家)終了しました
- 第18回 平良敬一(建築ジャーナリスト)終了しました
- 第19回 大宮エリー(映画監督・脚本家・作家・演出家・CMプランナー)終了しました
- 第20回 津島佑子(作家)終了しました
- 第21回 原広司(建築家)終了しました
- 第22回 平田オリザ(劇作家/演出家)終了しました
- 第23回 池上高志(複雑系科学/東大教授)終了しました
- 第24回 朝吹真理子(作家)終了しました
- 第25回 隈研吾(建築家)終了しました
- 第26回 三浦雅士(評論家)終了しました
- 第27回 畠山重篤(牡蠣養殖家/NPO法人森は海の恋人理事長)終了しました
- 第28回 小林エリカ(作家・マンガ家)終了しました
- 第29回 森まゆみ(作家・編集者)終了しました
- 第30回 湯山玲子(著述家、ディレクター)終了しました
- 第31回 大竹昭子(作家)終了しました
- 第32回 高橋悠治(作曲家、ピアニスト)終了しました
イベントレポート
通称、目利きセミナーも3年目に突入、第1回目のゲストは宇宙物理学者の池内了さんにご登場いただきました。
はじめの1冊は、ご自著「現代と寺田寅彦」。戦前を代表する物理学者であり、随筆家、俳人であった寺田寅彦のことばやエピソードに触れていくなかで、話は、昨今の原発問題、さらには科学者の責任についてと及んでいきます。
最近読まれたという本に、1979年初版、今年の5月に増補改訂版が出版されたという、堀江邦夫「原発ジプシー―被爆下請労働者の記録」、ヒルサイドライブラリーのために選んでくださった本の中にもその著作が含まれるジャレド・ダイヤモンドの著作「銃・病原菌・鉄」、「文明崩壊」、そして、アーネスト・ヴォルクマン「戦争の科学」などについてもお話しくださいました。
「3.11以後、日本人はマイノリーリセットできるのだろうか?」という会場からの質問には、今できること、それを実行していくことの重要性を説きつつ、「日本人の2割が節電していくこと、そうすれば原発がなくても大丈夫」との明言も。
終了時刻を過ぎても行なわれる質問応答に、場の熱気が加速する1時間30分強となりました。